GSOS
GSOSの概要
近年、二酸化炭素の排出増大に伴う地球温暖化の影響で海洋の酸性化が進行し、様々な水生生物への影響が懸念されています。 この為、地上だけでなく海中下での環境影響度合いを正確に定量的に評価するために、海水中の二酸化炭素濃度の鉛直変化を スピーディーかつ正確に測定する技術が求められています。
GSOS(Glass Spherical Optical Sensor)は、耐圧性能8,000mを有する岡本硝子製の特殊なガラス球内に光学ケミカルセンサーを搭載し、 海中の二酸化炭素分圧計測はもとより酸性化の指標とされるpH値、また一般的な環境指標とされる溶存酸素濃度の同時測定を可能にしました。*1 また、GSOSは船上での作業を意識した取り扱いの簡単さ、ポータビリティー性も意識した設計になっています。
- 各成分の測定には高精度の光学ケミカルセンサーを使用
- 各光学ケミカルセンサーには、測定項目ごとに異なる傾向成分を塗布
- 選定された波長のレーザー光で励起することで、測定成分の濃度に比例した蛍光を発し、
発せられた蛍光の移送変化を測定することにより、測定項目の濃度を算出
*1 特許出願中
岡本硝子製ガラス球
- 従来の深海用耐圧容器と比較して、圧倒的な透明度と実用に耐えうる耐圧性能を確保
- 一対の中空ガラス製半球を赤道面にて接合して全球を形成。浮力を確保しつつ耐圧性を実現する 接合面の強度に関する国際特許取得済み
- 江戸っ子1号プロジェクトにて水深8,000mでの実用に耐えうる、カメラ、照明、通信機器を収納する 耐圧ハウジングとして現在運用中
GSOS一般仕様(暫定値)
測定項目 | 深度、水温、pCO2、pH、DO |
---|---|
耐 圧 | 8,000 m |
連続使用時間 | 6時間 |
データ取得間隔 | 1秒 |
重 量 | GSOS本体 | 気 中 | 13.2kg |
---|---|---|---|
水 中 | -4.8kg | ||
フレーム | 16.5kg | ||
サイズ | GSOS本体 | φ33cm | |
フレーム | 40cm角 |
測定項目 | センサタイプ | 測定レンジ | 分解能 | 精度 |
---|---|---|---|---|
深度 | 半導体圧力 | 0~10,000m | 1.0m | ±0.2%FS |
水温 | サーミスター | 0~40℃ | 0.005℃ | ±0.01℃ |
pco2 | 蛍光測定 | 1~25% | ±0.06% | ±0.15% |
pH | 蛍光測定 | 5.5~8.5pH | 0.01pH | ±0.05pH |
DO | 蛍光測定 | 0~22.5mg/l | 0.01% | ±0.05% |